夕方、保育園にマメ氏1歳を迎えに行き下駄箱前で靴を履かせていたところ、同じ園の女の子が「この子かわいい〜」と話しかけてきた。何歳? 名前は?と訊ねられ、1歳だよ、マメだよ、と返す。お姉ちゃんは何歳? と訊いたら「5歳」とにっこり。おしゃまな5歳氏は、壁にもたれながらいろいろと話してくれた。「あのねえ、昨日はキミボク会をしたの」「キミボク会?」「キミボク会。みんなで集まってね、お菓子を食べながら映画を観たの」うーん、親睦会、か? 「いいねえ、マメ氏もそういうことしたいね」「この子は入れないよ。だって女の子だけのキミボク会なんだもん」「そうかあ、残念だね」「でもね、DVDを再生できるのはおじいちゃんだけだから、おじいちゃんだけは一緒に観たの」「なるほどねえ」「(マメ氏を指差して)君も大きくなったらそういうことができるような人になるといいよ。でも、大きくなるには1825回も寝ないといけないよ」「たしかにそうだね」。たぶん彼女の親御さんが、5歳になるまでの日数を教えたのだろう(正しくは1826日?)。考えてみると、マメ氏はまだ生後500日くらいで、私は13860日くらいだ。なんという隔たり。私も、生きてきた日数の近い人たちと久しぶりにキミボク会をしたい気持ち。マメ氏は私たちのやりとりの間、ずっと怪訝な顔でたたずんでいた。

「仮面ライダーガヴ」を観たあとマメ氏(一歳)を連れて外出。マメ氏が歩くようになってからというもの、土日の日中は外出してばかりだ。徒歩圏内に飽きたため、電車に乗って少し離れた街へ。駅ビルの中の無印良品で私の靴下を買い、書店で本を見る。思想・評論本の新刊で欲しいものが何冊もあるが我慢。マメ氏は、幼児本コーナーの車の絵本に夢中。ページを繰っては「ぶっぶっじゃ……(消防車)」と可愛く呟いていた。そのあと一休みしようとパン屋カフェに入ったら、お洒落でリッチなパンばかりで、マメ氏向きの単純なロールパンなどがない。なかば仕方なく、全粒粉の食パンを買ってちぎって渡したら喜んでいた。私も残りを食べたが美味しかった。全粒粉パンや黒パンを食べると、「本当に食べたかったのはこっちだ」といつも思うが、近所で売っていないのですぐいつもの白いパンに気持ちが流れていってしまう。
カフェを出た後は、近くの銀杏並木を二人で歩く。マメ氏は降りしきるイチョウの葉に大喜びで、落葉を手に持ってキャッキャとはしゃいでいた。空気はマメ氏の頬が赤くなる程度に冷たく、空は濃い水色で、イチョウはくっきりと黄色かった。胸がつまるほど良い光景だった。自分の好きにできる時間が少ないことへの葛藤も吹き飛ぶ。

数行だけの日記なんかを気楽に書き散らす場所がほしくて、とりあえず放置していたWEBサイトを多少いじってみた。カスタマイズ項目の多いテンプレートを使用しての、2時間くらいの突貫工事。Twitterでもblueskyでもnoteでもないな、という日々のことはここに書こうと思う。サーバーやWordPressの更新期限を久しぶりに確認したら来年の3月が切替タイミングだった。確認してよかった。
サイトのデザインを決める時、高校生の時に運営していたサイトと近い色を使おうと思った。ちょっと緑がかったグレー。当時は「畳色」と呼んでいた。20年ぶりの畳色。しばらく使っていなかった畳の客間を片付けて、さてどう使おうと考えているような気持ちだ。