風物詩
子の世話と会社労働で朝から夜まで埋まり、それ以外のことがほぼできなかった日。人とM-1の話をした。私は、M-1は紅白に代わる国民番組になったんだなと感じている。お笑い芸人がタレントとしてもインフルエンサーとしても存在感を増し(言葉と身体を上手く扱うことが、以前よりも権力と直結する時代になった)、大御所による評価と大規模なトーナメントの攻略というゲーム性が時代とマッチし、さらに紅白が国民番組として機能しなくなっていったことで、必然的にその座に収まったように見える。いつまでそのポジションが続くのかはわからないけれど。月見バーガーの異様な人気ぶりなど見ていても思うが、やはりみんな社会の中に“風物詩”が欲しいのだ。「もうすぐ⚪︎⚪︎の季節ですね」「今年の⚪︎⚪︎はこうですね」と周りの人と言い合いたいのである。子どもを保育園に通わせていると、季節のイベントが一切なかったりしたら、年長の子らや大人側は退屈になるだろうと素朴に思う。一年という区切りを感じずにいられない私たちには、たくさんの風物詩が必要なのだ。そんな風物詩のM-1、今年も私はオープニングとエンディングしか観ていない。中身はまあ、そのうち観る。