がめつさの恩恵
昨夜は義父母の家で、義母の作った料理をたらふく食べた。大量のローストビーフとクレソン、ホースラディッシュ、ラタトゥイユ、葉物のサラダに山盛りの茹でたブロッコリー、てらてらと輝くにんじんグラッセ、濃厚なクリームスープ、ライ麦80%のどっしりした黒パンにカルピスバターたっぷり、デザートはアイスクリーム。欧米のクリスマスのような迫力ある食卓に一瞬怯んだものの、たまにはいいかと腹がいっぱいになるまで詰め込む。マメ氏一歳にはその直前にカレーを与えていたが、大好物のブロッコリーだけは私から素早くかっぱらって食べていた。どの料理も美味しかったが、普段あまり満腹になるまで食べないのでふらふらに。「久しぶりにお腹いっぱい食べた」と言ったら、義母がすかさず「普段、マメちゃんといると食べた気がしないでしょう」と笑ったため、ああこの人も子育てをした人なんだなと感じる。あとで夫のトーフ氏から、私が食べられない食材や料理について義母とかなり細かく打ち合わせしてくれたことを聞く。義母は私にあまりベタベタしてこない、見ようによってはクールなタイプなのだが、食べ物についてだけはいつも解像度高く私の苦手なものを避け、好みに合わせようとしてくれるので面白い。夫に「トーフ一家は、婚約した頃から常に私に食べさせるものに気をつかってくれていますよね」と言ったところ、「私たちは食べ物にがめついので……」と謙虚な返答をされた。
満たされた食事をしてビジネスホテルに泊まり、今日は三人で教会のミサに出席。帰り道、マメ氏がベビーカーの中で寝たので夫と少しだけカフェに寄る。夫がコーヒーのついでにクッキーを買ってくれて、初めてのデートのときも同じことをしてもらったな、と思い出した。クッキーはもちろん私の好みど真ん中の味だった。