侵入
マメ氏一歳に夕飯を食べさせていた時に、玄関のドアが突如開いた。まったくもって夫が帰ってくる時間ではない。そこに立っていたのはお隣に住む気のいいおばちゃんで、二人で廊下を挟んで硬直。つまり私はドアの鍵をかけ忘れていて、向こうは自分の家と間違えてうちのドアを開けたのだ。向こうもおそらく、同じフロアに住む親族の元に行って戻るというラフな外出だったため、自宅のドアに鍵をかけていなかったのだと思われる。おばちゃんは「ああっごめんなさいね!!喋りながら歩いてたから間違えちゃった!!」と飛び上がって恐縮し、私は私で「わーっすみません、鍵をかけ忘れたりして!!」と叫んだ。食卓に戻ったら、マメ氏がしばらくドアの方をちらちら見ては困ったような顔をしていたので面白かった。幼児なりに異常事態を感じたのだろう。実際、「第三者が予想外に自宅に侵入してくる」展開はものすごく怖い。ほんとうにコンマ数秒だが、犯罪者の可能性も頭をよぎった。マメ氏が食事を食べ終わるまで心拍数が跳ねたままだった。あれが犯罪者だったら、私はすぐにマメ氏を庇って逃げられただろうか。いろんな展開を考えてしまう。