銀杏

「仮面ライダーガヴ」を観たあとマメ氏(一歳)を連れて外出。マメ氏が歩くようになってからというもの、土日の日中は外出してばかりだ。徒歩圏内に飽きたため、電車に乗って少し離れた街へ。駅ビルの中の無印良品で私の靴下を買い、書店で本を見る。思想・評論本の新刊で欲しいものが何冊もあるが我慢。マメ氏は、幼児本コーナーの車の絵本に夢中。ページを繰っては「ぶっぶっじゃ……(消防車)」と可愛く呟いていた。そのあと一休みしようとパン屋カフェに入ったら、お洒落でリッチなパンばかりで、マメ氏向きの単純なロールパンなどがない。なかば仕方なく、全粒粉の食パンを買ってちぎって渡したら喜んでいた。私も残りを食べたが美味しかった。全粒粉パンや黒パンを食べると、「本当に食べたかったのはこっちだ」といつも思うが、近所で売っていないのですぐいつもの白いパンに気持ちが流れていってしまう。
カフェを出た後は、近くの銀杏並木を二人で歩く。マメ氏は降りしきるイチョウの葉に大喜びで、落葉を手に持ってキャッキャとはしゃいでいた。空気はマメ氏の頬が赤くなる程度に冷たく、空は濃い水色で、イチョウはくっきりと黄色かった。胸がつまるほど良い光景だった。自分の好きにできる時間が少ないことへの葛藤も吹き飛ぶ。

日記